- 監督:小泉徳宏
- 製作国:日本
- 日本での公開日:2016年03月19日
- 鑑賞方法:映画館・劇場
- 鑑賞場所:シネマヴィレッジ8・イオン柏
- ジャンル:ラブストーリー, スポーツ
- おすすめ度:★★★
- 個人的に好き度:★★★
陸奥新報 映画散策記事
小倉百人一首を用い、短歌の下の句が書かれた札を取り合う「競技かるた」。読み札は上の句からになっているため、競技者は、ここまで読まれればその札だと確定できる「決まり字」を暗記している。かるたにはおとなしいイメージがあるが、取る速さで勝敗が決定するのもあって、腕の素振りをするなどスポーツに近い。
本作は、競技かるたに情熱をそそぐ高校生たちを、感情豊かに描いている。原作は末次由紀作の少女漫画だ。高校入学後、競技かるた部の創設に奔走していた千早(広瀬すず)は、幼なじみの太一(野村周平)と再会する。太一とは小学生の頃、一緒にかるたを学んだ仲だった。しつこく勧誘活動を続けるうち、太一を含む部員が揃うが―。
タイトルの「ちはやふる(ちはやぶる)」は、在原業平の「ちはやぶる神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」から取ったもの。「ちはやぶる」は勢いが激しい、荒々しいという意。そしてこの歌のように、競技シーンは激しかった。画面の配色も、紅葉と情熱のイメージの赤色が基調となっている。
見どころは、①主人公の千早をめぐる三角関係②ヒロイン(千早)の美しさ・存在感―の二つ。①を成立させるには②が不可欠だが、広瀬にはそれを成立させる説得力がある。凛とした表情と、強烈な眼力。旬の女優を起用した、良い配役であった。
ただし、競技中心だからか紹介される短歌が少ない印象。
2016年04月12日付 陸奥新報掲載 (船)
雑 記
いくらタイトルになってるとはいえ、「ちはやぶる〜」の歌ばかり出てくるのはどうなのだろう。
小倉百人一首のかるたは文字通り百枚ある。だが劇中で紹介される短歌は少ない。
脚本を書いた人の所為なのか、はたまたスタッフなのか。
競技については研究したのかもしれないが、どことなく、百人一首自体の理解は浅いように思われた。
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