• 監督:ロブ・マーシャル
  • 製作国:アメリカ/字幕
  • 日本での公開日:2015年03月14日
  • 鑑賞方法:映画館・劇場
  • 鑑賞場所:イオンシネマ弘前
  • ジャンル:ヒューマンドラマ, ファンタジー
  • おすすめ度:★★★
  • 個人的に好き度:★★★☆

陸奥新報 映画散策記事

 ディズニーとおとぎ話、ミュージカルの組み合わせといえば、屈託ないハッピーエンドを想像してしまう。しかし「アナと雪の女王」「魔法にかけられて」のような展開を期待して本作を見ると、ことごとく裏切られるだろう。
 もしも赤ずきんやジャックと豆の木、シンデレラ、ラプンツェルのおとぎ話が同じ世界で起こったら。森で彼らが出会ったら。登場人物が多く目移りしてしまうが、メーンはパン屋さんを営む夫妻である。夫妻は魔女の命令で、不妊の呪いを解くため森の中で奔走する。
 シンデレラは「イメージが違った」と言ってひげ面の王子から逃走したため、豪勢な舞踏会のシーンもない(夢と希望の詰まった舞踏会シーンを所望なら、25日公開の「シンデレラ」がお薦め)。昔はやった「本当は恐ろしいグリム童話」のような、おとぎ話の原作に漂う怖さも垣間見える。
 そして後悔、死との直面、改心という重いテーマがラストに待ち構えている。
 彼らが悔やむのは「オオカミに誘われて道草をしなければ」「巨人から物を盗んでいなければ」というストーリーの起承転結の転に当たる部分。“転”がないと物語として成立しないだろうに、おとぎ話の登場人物としての意識がない彼らは、自責の念に駆られてしまうのだ。
 魔女を演じるメリル・ストリープは、義母としての苦悩を美しい歌で表現していた。助演女優賞にノミネートされたのもうなずける。けれども本作は、日本で受け入れられないかもしれない。

2015年04月02日付 陸奥新報掲載 (船)

雑 記

ロブ・マーシャルは舞台振付師としてのキャリアを持ち、『シカゴ』や『NINE』などミュージカル映画の名作を手がけたことでも知られる。
本作は1987年初演の同名ブロードウェイ・ミュージカルを映画化したもの。日本でも2004年、宮本亜門の演出・振付で初演を上演している。

日本ではおとぎ話やディズニーの持つイメージとのミスマッチ感に、拒否感を示す観客が多かったのだろう。本作品のクチコミは散々なものとなっている。
勝手にパン屋主人の妹をさらい、義理の娘・ラプンツェルとして育てた魔女。そんな彼女が母の気持ちを歌っても、日本国民には心に響かないのだ。大人向けの深みのある物語にしたかったのは分かるが、おとぎ話=子ども向け と考える人も多いのか、評価されない作品だった。
パン屋とラプンツェルが出会うシーンがあればもっと面白くなっていたかも。(話としては面倒くさいことになりそうだけど)

 

オオカミ役のジョニー・デップは序盤早々に退場していた。彼の歌の歌い出しを聞いていると、どうしても赤ずきん狙いのロリコンにしか思えない(笑) 遠吠えするジョニデ・オオカミは必見。

王子役クリス・パインのはっちゃけっぷりがGOOD。川でびしょ濡れになりながら弟王子(ビリー・マグヌッセン)と歌い上げる“Agony”は色んな意味で印象に残る。胸元をはだけさせてのイケメン対決が非常に笑えた。
シンデレラという妻がいるのに浮気しようとしたり…。
本当はジェイク・ギレンホール兄王子、クリス・パインが弟王子を演ずるはずだったそう。ギレンホールの降板でダメ兄王子に昇格(笑)
クリス・パインも段々と「ただのイケメン」枠から「汚れ役もこなすイケメン」枠へイメージチェンジしてきている気が。スター・トレックの次作(ファイブ・イヤーズ・ミッションへ旅立つ話)も控えているので、そろそろ威厳あるカーク船長になってほしいもの。

パン屋妻役のエミリー・ブラントは、撮影中妊娠中だったらしく、お腹を隠すのが大変だったそう。
全く気づかなかった。さすがハリウッドの技術。