• 監督:マシュー・ヴォーン
  • 製作国:イギリス/字幕
  • 日本での公開日:2015年09月11日
  • 鑑賞方法:映画館・劇場
  • 鑑賞場所:シネマヴィレッジ8・イオン柏
  • ジャンル:アクション
  • おすすめ度:★★★★
  • 個人的に好き度:★★★★

陸奥新報 映画散策記事

 イギリスの諜報機関といえば、MI6が有名だ。しかしスーツ+スパイの組み合わせは、ジェームズ・ボンドの専売特許ではない。「キック・アス」「X−MEN:ファースト・ジェネレーション」などの代表作を持つマシュー・ヴォーン監督が、このたび挑んだのは〝紳士的〟スパイ映画。50代のコリン・ファースは、スーツ姿で切れの良いアクション(初挑戦だそう)を演じていた。
 ロンドンの高級紳士服店・キングスマン。その実態は、最強の独立国際スパイ組織だった。12人の諜報員は、アーサー王伝説「円卓の騎士」になぞらえたコードネームを名乗っている。
 ある時諜報員のランスロットが、活動中に不審な死を遂げ、後継の候補として若者たちが集められた。コリン・ファース演じるハリー(コードネーム:ガラハッド)は、亡き恩人の息子エグジーをスカウトする。上流階級の候補者にからかわれる労働者(下流)階級のエグジーであったが、訓練を受け諜報員として成長していく―。
 本作自体、イギリス階級社会の縮図ともいえる。字幕版で頻出する「俗物」=〝snob〟という単語は、「上流気取り」の意味も持つ。
 現代の労働者階級は、俳優・スポーツ選手など、大金が得られる職業に就くことが難しいのだ。例えば演劇学校は、学費が高いため中流階級以上の生徒がほとんど。学校に通わなければブレークが難しい業界なのに、入学すらできず苦慮する者も多い。
 派手なアクションの合間に、厳しい世情がにじみ出ていた。

2015年10月01日付 陸奥新報掲載 (船)

雑 記

『シングルマン』の出で立ちそのままのコリン・ファースが、キレキレのアクションを魅せてくれた。
『英国王のスピーチ』など役柄のせいもあって、重厚で静かなイメージの彼だったが、新たな一面を見ることができた。

エグジー役のタロン・エガートンも、コリン・ファースのキレキレさには負けるが、若いなりに頑張っていた。今後に期待したい。

だが正直、『キック・アス』『X−MEN:ファースト・ジェネレーション』などと比べると、中だるみ感があるのは否めない。
またハリーが死ぬ部分、あっさりと死にすぎである。クエンティン・タランティーノを思い出した。洗脳のせいとはいえ、一般人を大量虐殺してしまった彼を、映画の倫理的に生かしてはおけなかったのだろう…。良いキャラクターだっただけに、残念。