• 監督:ジョン・ファヴロー
  • 製作国:アメリカ/字幕
  • 日本での公開日:2015年02月28日
  • 鑑賞方法:映画館・劇場
  • 鑑賞場所:シネマヴィレッジ8・イオン柏
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • おすすめ度:★★★★
  • 個人的に好き度:★★★★

陸奥新報 映画散策記事

 ジョン・ファブローといえば、「アイアンマン」「アイアンマン2」の監督として有名だ。もともと役者からスタートした彼はアイアンマンシリーズでも、運転手兼ボディーガードのハッピー役としてしっかり出演している。そんなファヴローが今回、笑えて泣けておいしそうな料理がてんこ盛りの映画を監督し、主人公を演じた。アイアンマンとは真逆の作品である。
 ロサンゼルスのレストランで雇われシェフをしているカール・キャスパー(ファブロー)は、人気フードライター・ラムジーの来店に合わせて新メニューを考える。しかし雇い主の命令により、結局いつものメニューを出すことに。結果、ラムジーに散々な評価を書かれてしまう。
 あまりの酷評に憤ったカールは情報集めのため、元妻との息子・パーシーにツイッターを習うも、使い方に慣れないままラムジーを侮辱する投稿をしてしまい―。
 レストランをクビになったカールを救ったのは、パーシーと料理人仲間のマーティンだった。3人でキューバサンドイッチの移動販売をしながら、マイアミからロサンゼルスまで、フードトラックで旅をする。
 上品なフランス料理ばかりだった前半と打って変わって、後半はアメリカを満喫するロードムービーになる。おいしい料理や美しい音楽、笑いの絶えない旅。料理一辺倒で「父親として失格」と自ら豪語していたカールは、息子と改めて向き合うのだ。
 ラストに近づくにつれてすがすがしい気分になる映画だった。

2015年05月26日付 陸奥新報掲載 (船)

雑 記

本作品でもう一つ注目すべきなのは、TwitterやVineなどのインターネットSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のデメリット・メリットが明確に示されている点だ。
SNSのデメリット(マイナスイメージの拡散、ネット・リテラシーの必要性など)によって人生のどん底に落ちた主人公を、息子がSNSによって助ける(プラスイメージの拡散、リアルタイムで情報を発信など)という図式。
特にTwitterを頻繁に取り上げていた。Twitterの回し者かというくらい。(Facebookは劇中に出てこなかった)
ファヴロー自身に、なにかSNSにまつわるエピソードでもあったのだろうか。

 

 

ファブロー作品には独特のテンポがある。
本作でもその傾向が顕著に出ていたのではないだろうか。
他監督であれば、前半のクビになるまでのくだりを、もっと早めに切り上げてロードムービー部分を長くするであろう。

『アイアンマン2』もだ。他監督ならもう少しアクション場面を増やすだろうが、ファブローはそれをしなかった。中盤では派手なアクションシーンをはさめず、ラストで一気に爆発させた。
大衆向けのアクション超大作では、彼の感覚は受けなかったのだろう。彼はシリーズを降板し、『アイアンマン3』は別の監督(シェーン・ブラック)になった。

しかし彼の感覚は、ヒューマンドラマ系作品には合っているのではなかろうか。
次回作にも期待したい。

 

 

(個人的にはアイアンマンシリーズのロバート・ダウニー・Jrや、スカーレット・ヨハンソンが出演しているので、思わずムフフとなった。ダウニーの出番は短かったけれど)