• 監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
  • 製作国:オーストラリア/字幕
  • 日本での公開日:2015年02月28日
  • 鑑賞方法:映画館・劇場
  • 鑑賞場所:シネマヴィレッジ8・イオン柏
  • ジャンル:SF
  • おすすめ度:★★★
  • 個人的に好き度:★★★☆

陸奥新報 映画散策記事

 「鶏が先か卵が先か」という命題は有名だが、本当のところどちらが先なのか。このジレンマは古代ギリシャ哲学で既に考えられていたものだ。本作を見終わった時、命題について真剣に考えてしまうようになるだろう。
 タイトルの〝Predestination(プリデスティネーション)〟は、運命予定説の意。ロバート・アンスン・ハインラインのSF小説「輪廻の蛇」が原作となっている。文庫本で30ページ程度の短編小説を、1時間半の映画に仕上げたのは驚くべきことだ。
 ただし映画の前半を見ただけでは、SF作品なのか分かりづらい。本作の前半は、ほぼ、孤児院で育ったある女性の半生の描写で占められている。彼女の孤独さが身に染みる。ハリウッドの大作と違い、前半でストーリーの全体像がつかめず、ふに落ちない人もいるかもしれないが、どうか最後まで堪えてほしい。
 少しエラの張った、独特な顔立ちのサラ・スヌークがいなければ、この映画は成り立たなかっただろう。チラシで主役級に扱われているイーサン・ホークは、最初から出演してはいるが、後半にようやく動き出す。
 わが道を行くストーリー構成は、オーストラリア製作だからできたのか。ハリウッドではまず許可が下りないだろう。しかし、どこを語ってもネタバレになりそうな本作は、ある意味名作なのかもしれない。もう少し練ったほうが良い部分もあるが…。
 公式サイトは壮大にネタバレをしているので、鑑賞後に読むことを薦める。

2015年07月05日付 陸奥新報掲載 (船)

雑 記

一言で表せば、究極のウロボロスである。
下記文章中の登場人物、全てが同一人物なのだ。(かなりネタバレになるので、文字を白色にします。選択して読んでください)

 

孤独を感じながら生きる女・ジェーン。
彼女は付き合っていた男に逃げられ、赤ん坊を一人で産むことに。
だがジェーンは自覚していなかったものの、実は両性具有であった。出産時、延命のため手術で強制的に、男性へと性転換させられてしまう。
赤ん坊は何者かに誘拐され、ジェーンは“ジョン”として生活することを余儀なくされる。

「未婚の母」というペンネームで、雑誌に告白記事を投稿するようになったジョン。
ある日バーで飲んでいると、バーテンダーが親しげに話しかけてくる。
ジョンの身の上話を聞いた後バーテンダーは、自らが爆弾魔を追ってタイムスリップをする時空警察官であることを明かし……

 

時空警察官組織の描写はもう少し丁寧な方がよかっただろうが、ストーリーとしては面白い。発想が勝利した形だろう。

 

オーストラリア映画は、良い意味ではっちゃけているのだなと改めて感じた。
2015年大ヒットした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』も、オーストラリアとアメリカの製作で、すこぶるマッドだった。(1〜3作目の製作国はオーストラリアのみ)