• 監督:中村 義洋
  • 製作国:日本
  • 日本での公開日:2016年05月14日
  • 鑑賞方法:映画館・劇場
  • 鑑賞場所:シネマヴィレッジ8・イオン柏
  • ジャンル:コメディ
  • おすすめ度:★★★★
  • 個人的に好き度:★★★★

陸奥新報 映画散策記事

 人のために、地域のために、心を尽くせる者がどれほどいるか。自分の評判を高めるために、ボランティアをする人も中にはいる。就職活動で有利になるからといって、ボランティア経験をアピールすることもあるだろう。しかし、果たしてそれは真の奉仕精神と言えるのか。
 さて本作は、千両(=約3億円)という大金を、何年もの歳月をかけて集めようとする有志たちの実話である。
 今から250年程前の江戸時代中期。仙台藩のさびれ果てた宿場町・吉岡宿では、生活に困窮する者が多く、夜逃げが多発していた。町役として、奥州街道を通る大名行列の伝馬役(馬をひいたり荷物を担いだりする仕事)の負担が重いのも一因であった。
 ある日、町一番の知恵者である菅原屋篤平治(瑛太)が「千両を殿様に貸して利息を町民に分配すれば、伝馬役の負担も軽くなる」と奇想天外な提案をする。その案に乗った穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は、仲間を増やしてコツコツと銭を集め始めるが―。
 出資する仲間たちは偉いことに、町のためにお金を出したと口外しない、末代まで自慢しない、見返りを求めないという「つつしみの掟」を自らに課した。これは真の「ボランティア精神」を説いた作品なのだ。
 監督は中村義洋で、「奇跡のリンゴ」(2013年)も記憶に新しい。実話を基に、無農薬リンゴの栽培に成功した木村秋則さんを阿部サダヲが演じていた。裏表がなく一本気なイメージを、監督が阿部に抱いていることが窺える。

2016年06月07日付 陸奥新報掲載 (船)

雑 記

東日本大震災以降、「美しい日本」というプライドをへし折られそうになった日本人。
だからなのか、昨今の国内メディア(特にテレビ番組)はやたらと日本と日本人を美化したがる。
美談を紹介し、「日本はすごい! 素晴らしい!」と讃える。
どこの国でもやっていることだろうが、度が過ぎるのはいけない。

 

ただこの映画の内容は、ボランティア精神を見直すという意味でも良かったと思う。

あとは、映像美という程ではないが、茶畑が美しかった。